素材におけるブランディング

阿部敬介 – 素材におけるブランディング

素材におけるブランディング

帝人フロンティア株式会社 衣料営業企画部第一課
阿部 敬介(あべ けいすけ)

素材におけるブランディング

数多くの繊維・素材を開発し続ける帝人フロンティア。
「素材」という表に出ることの少ない、特殊な領域でのブランディングについて同社の考え方を聞いてみた。
Photo: Kaido Kawamoto
Edit: Keisuke Tachibana
帝人フロンティアとはどのような会社ですか?
阿部
帝人グループの中で、繊維・製品を主な事業としていて、「業界で唯一の繊維製造と販売を一貫で手掛ける事業体」です。そのた
め、素材から製品まで自社内で完結できるという会社になっています。
様々な商品があるかと思いますが、何種類くらいの商品があるんでしょうか?
阿部
うーん、種類といっても衣料から産業資材までとかなり幅広いものになりますね。
『製品』といえど、すべてが最終製品の形をしているわけではなく、部品的な部分であったりする製品もあるので、種類となると相当数に上ります。
なるほど。部署はどのくらいの部署がありますか?
阿部
大きく分けて部門は3つになります。主に原料や機能素材、機能衣料を扱う衣料繊維第一部門。衣料製品を主に取り扱っている衣
料繊維第二部門。もうひとつは、幅広く産業資材を取り扱う産業資材部門です。
阿部さんはその中でどの部門に属していて、具体的にはどんなお仕事をされているんですか?
阿部
私は衣料繊維第二部門の衣料営業企画部という部署になりまして、主にマーケティング、販促(プロモーション)を行っていま
す。その中で今回『SOLOTEX』のプロモーション業務を担っています。
我々で『SOLOTEX』のプロジェクトをお手伝いさせて頂いて1年間くらい経つのですが、もともと『SOLOTEX』は何年位前にできた素材ブランドなんでしょうか?
阿部
もともと、2002年に旭化成さんと合弁会社を設立し、ソロテックスの商標で関連生地の販売を開始しました。そこから現在の帝人フロンティア単独で2011年ころから販売しています。
具体的に『SOLOTEX』とはどのような商品になりますか?
阿部
ポリエステルの一種で、非常に多くの機能を持った素材です。7大特徴として、柔らかさ、形態回復性、ストレッチ性、クッション性、発色性に優れ、他の繊維(ポリエステル以外の繊維)との調和性の高さ、環境負荷の低減があります。
本当に様々な特性を備えている素材ですよね。私たちは昨年からお手伝いさせて頂いているのですが、ブランディングをしなければいけないとなったきっかけはなんだったのでしょうか?
阿部
もう何年も前からだと思うのですが、昨今、特に衣料において「素材」というものへのウェイトが上がってきている、素材への注目度が上がってきていると強く感じはじめていて。そうした背景がある中で、1人でも多くの消費者の方へ知っていただいた方がよいなと思ったことがきっかけです。
そこからプロジェクトを組んで、今まで以上に「SOLOTEX」というブランド名を表に出すような戦略にでているという形になり
ます。
様々なブランディング施策を行っている中で、『SOLOTEX』を今後どのようなブランドにしたいと考えていますか?
阿部
消費者の方が〝着心地がいい″〝便利だな″と身近に感じていただけるものだと思っておりますので、より多くの方に体感していただけるようなブランドにしていきたいと考えています。日常で身に着けるモノに『SOLOTEX』が入っていると安心だなと思ってもらえるような、多くの人に愛される素材ブランドを目指しています。
そういった部分は私たちも共感させて頂いております。
『SOLOTEX』を基盤に様々な外注先とお仕事をされてることがあると思うのですが、外注先と仕事を進めていくうえで、パートナー選びの基準は会社として、阿部さん個人としてなにかございますか?
阿部
我々は全方位的に商品を販売しているので特に何かこちらで選んでということは無いのですが、最近で言いますと、素材について消費者の方に知ってもらいたいという気持ちが強くありますので、BtoBだけではない、エンドユーザー目線の考え方が一致する会社と深くお付き合いしているケースが多いです。
今回、我々としてはデジタル領域をやりつつ、様々な人たちと協力しながら全方位型にプロモーションをかけているところなんですが、私たちと仕事をしてどのような感想をお持ちですか?
阿部
もともとはテイジンチームは業界の中にいて、凝り固まってしまっている部分があります。衣料や素材に詳しいけれど、それ故に決めつけてしまう場面もあるので、衣料ばかりではない異業種のところともやってみたいと思っていました。我々の発想にない意見をいただけているので、そこは狙い通りだなと思っております。
ありがとうございます。よかったです(笑)今回ですと、戦略的な部分から動画、WEBサイト、Instagramのトンマナルールなどなど、いろいろと作らせて頂きましたが仕上がりについてはいかがでしたでしょうか?
阿部
衣料中心にデジタル施策をお願いしていますが、いい意味で我々の視点とは違うと感じています。
私たちだけですと、プロダクトアウト型にプロモーションがなりがちなんですが、もっと感覚的に感性的に訴えるもの、なにか気になるなというモノづくりをしていただけていると感じています。一方で深く知りたいお客様に対しては製品のラインナップや特徴を知ってもらえるツールがあったり、ふわっと気になってくださったお客様に対してはそこに向けたツールが用意されていたり、段階的にお客様にアプローチができる仕組みを用意して頂いたなと思います。そのあたりは非常に満足度が高い仕上がりになっています。
ありがとうございます。ホッとしています(笑)来期に向けてダメだし含め、ご意見などがありましたら教えてください。
阿部
衣料という感性を要求される部分では『SOLOTEX』というものの認知度が非常に上がっているのを実感しております。
今後も様々なお客様に採用いただけるだろうなと、そういう意味では今まで衣料という中ではわき役だった素材というものが準主役になっているように感じます。
今後は衣料の中でも少し違う分野、例えば裏地だったり、綿があったり、SOLOTEXの特徴を生かした存在がたくさんいます。
そういった今まで語られていなかった部分を消費者に伝えていきたいなと考えてます。
なるほど。そういった部分を今後はデジタル領域でも伝えていけるような流れがとれたらよいということですね。
阿部
そうですね。衣料だけでなく産業資材などに採用されている事例も多々あるので、衣料同様に消費者の方に伝わるように『SOLOTEX』が入っているから使いやすい、いいものだと認識してもらえるようなプロモーションをうっていきたいです。
どんなジャンルでも信頼される万能的なブランドにもっていきたいなと。
承知しました。
専門的な分野のプロモーションを含め、いろいろとご提案させて頂ければと思っております。本日はありがとうございました!

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