医療業界に特化した戦略的コミュニケーション

内堀雅彦-医療業界に特化した戦略的コミュニケーション

医療業界に特化した戦略的コミュニケーション

株式会社コルボ 代表取締役社長
内堀 雅彦(うちぼり まさひこ)

医療業界に特化した戦略的コミュニケーション

医薬品・医療機器メーカーに特化したセルフプロモーション会社として30年の歴史を持つ株式会社コルボ。 創業からの歩み、医療業界に特化することの難しさと醍醐味、そして新たなパートナーシップの構築について、代表取締役社長の内堀氏にお話を伺いました。
Photo: Kazunari Ogawa
Edit: Mitsuaki Hongyo
まずは株式会社コルボについて、そして内堀社長ご自身のキャリアについてお聞かせください。
内堀
コルボは医薬、メディカル、ヘルスケアに特化したセルフプロモーションの会社です。創業30年になりますが、主にデバイスメーカーと製薬会社とのお仕事をさせていただいています。他のヘルスケア専門の広告会社と違う点は、制作部隊が社内に揃っているところですね。お客様に対してワンストップでプランニングから納品まで寄り添えることを強みとしています。
私自身は、この仕事に入る前は病院に勤務していました。そこでは、経営企画のようなことをやっていたんです。もともと医師を目指していたのですが、いろんな事情で叶わず、それでも医療に携わりたいという思いから病院に入りました。しかし、もうちょっと外へ出て医療を支えられたら良いと思い、広告のほうに進みました。
すごい決断だと思います。医療業界特化型の会社を立ち上げた経緯について教えてください。
内堀
私が病院を辞めて広告業界に入った当初は、生命保険会社向けの健康情報ツールの制作からスタートしました。その後、徐々に医療機器メーカー、製薬会社へと顧客を広げていきました。
最初は5人で表参道の小さなオフィスでスタートして、その後南青山に移りました。そこで新規開拓をしていったんです。最初はメディカルはハードルが高く、学術スタッフもいなかったので、グラフィックデザインのみで生業をたてていました。
生命保険会社の仕事で基盤ができたので、いよいよメディカルをやりたいと思い、デバイスメーカーのドアをノックしました。薬事はハードルが高いので、学術スタッフがいなくてもグラフィックワークやプランナーで行けそうなところから入ってみたんです。
医療業界に特化することの難しさ、あるいはと醍醐味について教えてください。
内堀
難しさの一つは、薬事法による規制ですね。表現したくてもできない縛りがあります。その中で我々がどこまで学術的な医学の知見を持ってご提供できるかという、ギリギリのせめぎ合いになります。
もう一つは、高度な専門知識が必要な点です。製薬会社から「学術スタッフはいらっしゃいますか?」「博士号を持っている人はいますか?」と必ず聞かれます。そこで、医学博士、薬学、理学、工学の専門家を採用していきました。ポスドクや、出版社で編集をやっていた方などを募集して、専門スタッフを揃えていったんです。
醍醐味としては、最終的に患者さんの利益につながる仕事ができることですね。我々のクリエイティブ業務の中心は、各製剤メーカー、医療機器メーカーが最新かつ正確な製品情報を医療従事者に伝え、適正に使用できるようプロモーションすることです。それによって、治療の選択肢と医療の発展にもつながります。
御社の強みについて、もう少し詳しく教えていただけますか?
内堀
さきほど申し上げたように我々の強みは、制作部隊が社内に揃っていることです。つまり、お客様に対してワンストップですべてプランから納品まで寄り添えるということです。また、私自身が病院勤務の経験があることも大きいですね。普通、医療従事者の方々が1日をどう過ごしているのか知っている人はあまりいません。その部分の理解度が、圧倒的に違います。
さらに、学術と表現のバランスを取れることも強みです。うちの学術のメンバーには博士号を持っている人や元医療従事者がいますが、そういう人に書かせると今度は表現方法としておもしろくないんです。その両方のバランスを取れる点が我々の強みだと思います。
新たなパートナーシップの構築について、どのようにお考えですか?
内堀
パートナー選びで一番大切なのは、想いの共有です。ロジカルな考え方だけでは済まない部分、感覚の部分で「あ〜!それそれ!」って共有できる素養がある人たちと組みたいですね。
もう一つ重要なのは、成功体験を持っていながらも、その経験に縛られない人です。成功した体験があるというのは乗り越えるという感覚を持っていると思うんです。その感覚を知っている人たちと仕事をしたいと思っています。
また、長期的な関係性を重視しています。信頼関係が築けるかどうかが基本です。それさえあれば究極な話、契約書も要らないんです。間違いそうになれば早め早めで謝るとか、正しい説明をするとか。そういう人としてのフィーリングみたいな事は本当に大事です。
ザ・カンパニーとのお仕事についても教えてください。
内堀
逆説的にですが、これまで一般的なコンシューマーに対してのクリエイティブから離れてきてしまったことが弱点であるとも考えていました。そこを助けてくれるパートナーが欲しいと思っていました。
ザ・カンパニーは、メディカルの規制もある程度理解しようと努力してくださっています。領域を恐れず「やりましょう」と言ってくれたところが何よりも心強かったです。とりあえずわからないけど一生懸命やってみますという姿勢が素晴らしいと思います。
ザ・カンパニーとの協業で特に印象に残っていることはありますか?
内堀
ザ・カンパニーさんとの協業で印象的なのは、本当に自分ごとのように考えてくれることですね。定例会にも常に参加していただいていて、その中でおかしいことはおかしいとハッキリ言ってくださる。同じベクトルに向かって走っていただける会社だと感じています。
また、クリエイティブ力と、我々の医療業界に関する専門知識を掛け合わせることで、より効果的なコミュニケーションが実現できています。医療という専門性の高い分野で、患者さんの目線を忘れず、かつ魅力的なクリエイティブを生み出すことは容易ではありません。ザ・カンパニーさんとの協業は、そのチャレンジングな課題に対する挑戦であり、解決方法だと考えています。
最後に、クリエイティブに携わる者として常に心がけていることは、「誰のために」という視点を忘れないことです。我々の場合、最終的には患者さんの利益につながるものでなければいけません。その思いをザ・カンパニーさんと共有できているからこそ、深い信頼関係が築けているのだと思います。
これからも、医療とコミュニケーションの架け橋となるクリエイティブを追求し続けたいと思います。そしてその過程で、ザ・カンパニーさんのような素晴らしいパートナーと出会い、共に成長していけることを楽しみにしています。クリエイティブの力で、より良い医療環境、ひいてはより良い社会の創造に貢献していく。それが我々の目指す道であり、ザ・カンパニーさんとの協業を通じて、その実現に一歩ずつ近づいていると実感しています。

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