春の日記2016.04.8
近所の川へ二歳になる甥のノアを自転車に乗せて最後の花見へ出かけた。
雨後でも地に散るまではしっかりと咲いているその凛とした姿を見ると、新渡戸稲造の名著「武士道」にあったように「日本人というのは桜であってバラではない」というフレーズが思い出され、すがすがしい気分にさせられた。
そう、今やっとすがすがしい気分だ。
今年の桜の時期は久々に東京近郊にいてただただ慌ただしかった。
自分の写真の展示会を皮切りに、姉家族がアフリカへ引っ越すという一大事のために実家に越してきて、我が家の居間はノアによる動物園となった。
金曜の夜から始まった週末はといえば、自分の写真展のパーティーには思わぬご来客もあり主催の私が一番ぶち上がって潰れてしまうという失態から始まり(ご迷惑おかけした方、いらしたらマヂすいません)、翌日都内へ出れば代々木公園の春の風物詩、春風が満開だった。
DJのみの出演となるLOVEステージ前には久々に見るギラッとした方々が沢山いてなんだか嬉しくなる。パンクもHIPHOPもReggaeもクラバーもレイバーもギャルもヒッピーも。久しぶりに会う顔がとにかく沢山だった。
真剣に世界平和についての話ができる不良な友人は貴重な存在だ。
暗くなるころに吉祥寺へ。季節労働時代の戦友と合流し、何件か回ってスターパインズカフェのアサラトナイトへ顔を出す。酔っぱらってオープンマイクに参戦したがよく覚えていない。
目覚めるとWarpの椅子で目を覚ました。光風の出てるイベントに来たんだっけ、確か。
下北の友人宅へ仮眠をとりに行き、再び春風へ。
そのまま会場の友達と自分のクルーのDiscoteca Blancoのメンバーの中目黒のギャラリーJIBで開かれた展示会へ向かう。会場ではDJであり、世界中の中古レコードのバイヤーでもあるサブリナさんとお会いすることが出来た。(またこの話は書きたい思います。)旅やレコードの話はWEB上には落ちていないオルタナな内容満載だった。新しいMIXCDもいただけた。
メンバーの家にタクシーで帰り、翌朝彼のスーツ姿を横目ににやけながら麻布十番駅を後にする。
地元の駅には乗り過ごさずに到着できた。
日付は4月4日の朝10時。家を出たのは1日のお昼前だった。
帰ってシャワーを浴びると、右ひざと左手の平から出血していて、首が何か変だった。
顎の左下に久しぶりのニキビができていて、顔がむくんでいる。
財布は勿論軽くなり、覚えていない名刺やフライヤーがポケットにクシャクシャに入っている。
ピラミッドを四角の中心にして織り込まれた米ドル紙幣が入っていた時は思わず目を疑ったが、そういった方とお近づきになったのだろうか。
こういう破滅的な週末が年に一度くらいやってくる。
久しぶりに東京のハイな波に乗った気がした。
桜の花のような週末だった。
こうなる原因はわかっているが、もはや春は来て、一瞬で過ぎ去ろうとしている。
新緑の五月がやってくる。