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私たちが好きな事、気づいた事、見つけた事を私たちの目線で"時々"綴るロードダイアリー。

気になる村人・サダさん2022.01.19

私の住んでいる村から山梨方面へ車で走り出してしばらくすると、道路の両脇にゴミの山が現れる。

車、重機、コンテナ、自転車、プレハブ、看板、なんやらかんやらとにかくあるのだ。

普段は車しか通らないその辺りをランニングがてら偵察しに行ってみることにした。

 

 

ガラクタの山に近づいていくと、人の声が聞こえる・・・。

ラヂオだ。

獣除けか泥棒除けだろう。

なんとも言えない臭気も漂っている・・・。

猿とかイノシシとか、獣を飼っているのだろうか。

 

 

ジロジロと見ていると「バイヤーこれより立ち入り禁止!」の看板が。

なるほど、これはゴミではなく売り物なのか。(?)

キノコや山菜の手書きの看板も並んでいる。

時期になれば山の幸も並ぶのか。

こんな怪しさマックスの露店で食材を買う人が果たしているのだろうか・・・。

 

 

そんな話を上司にすると、そこを管理(というか放置)しているのはなんと、「サダさん」だった!!!

実は以前からサダさんをチェックしていた私。

なぜかと言うと、サダさんは熊を飼っているのだ・・・。

熊は小熊で、ある時は軽トラの助手席に、ある時はサダさんが営む商店の居間にいる。

熊ちゃんの小屋は農作業用のコンテナを2つ上下に組み合わせたものだ。鎖とダイヤル式の南京錠で厳重にぐるぐると巻かれて、ゆさゆさと揺れながらナマモノが入っていることを遠目からでも教えてくれる。

私はサダさんの軽トラとすれ違う時はいつも助手席に目が釘付けだ。

商店に行くときはついつい奥の居間を覗き込んでしまう。

店番をする奥さんは絶対に気づかれたくないのだろう。熊がいるときはいつもの世間話を絶対にしない。

 

そんなこんなで、サダさんは文句なしでこの村で一番ヤバイ男だ。

最近はお笑い芸人のハナワのネタを文字って、「S・A・D・A・サダ!」と替え歌を歌うのが身内で流行っている。というか私が勝手に歌っている。

 

私はまだサダさんとお話ししたことがないが、先日言葉を交わす機会があった。

私が柿の木を見上げているとサダさんの軽トラがゆっくりと近づいてきて、「今年は柿なってねぇんなぁ!えぇ??」と、ガチャガチャの歯とヨレヨレの帽子姿で声を掛けられた。

私は熊に出会ったような顔をしていただろうか。なにか気おされ、

「あぁ、はぁ」

とかなんとか言った。

サダさんはノロノロと走り去った。

道路のゴミ山や熊ちゃんのことを質問するなど私には100年早いのだと思い知った。

あはは。

 

 

サダさん以外にも気になっている村人はいる。

村で一番浮浪者に近い恰好でたまに散歩をしている、えいちゃん。

アル中で絵描きらしい。どんな絵を描くのだろう。

 

野球場のど真ん中で昼間っから一人でギターを弾き語っている青年。

距離がありすぎていつも音が聞こえないが、どんな感じなんだろうか。

夜は神社でやっているらしい。近隣から薄気味がられている。

 

田舎の村は変わり者が目に付いてとても楽しい。

ただ、深入りは厳禁だ。

知ってはいけないことは、知ってはいけないだろう。

遠くからそーっと楽しんでいるのが華だと思う。

何故なら、私も誰かの関心の対象になってしまうかもしれないのだから。

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