Erection Block Party レポート2018.10.11
2年ぶりに日本へ帰国して、とにかく音楽が聴きたかった。
友人達は連休で朝霧JAMへ行ってしまったので、とりあえず一人で出発だ。
前から耳にしていた自由が丘でのブロックパーティー、『Erection』へ行ってみることにした。
駅に近づけば音が聞こえて来るかなと思いきや、町中ということで音はそんなに大きくなかった。ただ、四方をラブホテルやスーパー、屋上に飲食店がある背の高いビル達の谷間に囲まれたコインパーキングはブロックパーティーと呼ぶにふさわしいロケーションだ。
連休中、ちょっとこじゃれた自由が丘のお昼どきに、HIPHOPでズクズクやってしまうなんて。ちょっとどきどきしているのは私だけ・・・?
ワンドリンク分をゲートで払い入場、カンパをするとZINEがもらえるというホクホク感もたまらないなぁ、とか思っていると、大学時代からの友人ファーム君とその友達たちと遭遇した。TOKYO最高だ。
ファーム君が貧乏な私の酒代やカンパを払ってくれ、さらに幸せになり、さぁいざゆかん。
地面はステージ向かって左方向にゆるくカーブして坂になっている。なので、体重を支えるためにみんな少しだけ変な方向を向いている気がする。猫の額の東京を感じて何か新鮮だ。客層は、ラップバトルを見に行くキッズよりも若干高めな20代後半が多いだろうか。
「最近の日本語ラップかっこよくなったよねぇ~」
と、ファーム君は結構な勢いで酒を煽りご機嫌だ。
かくいう私もマックダディのカリスマ店員だったHabanero Posseのラテンビートに早くも上がってしまい、気が付くと左スピーカー前独占のいつものパターンになってしまっている。ナイスLIVEだった鶴岡龍の時点でもう大分いい状態になってしまったので、細かいところは曖昧だが、お客さんはパーキングにほぼ満帆になっていて、テキーラのボトルも見えたりして、大分ブロックパーティーな雰囲気になっているぞぉ。
DJ Stylish a.k.a鎮座DopenessはMICで喋り出すとみんなカメラをかざし出すという現象が全てを語っている。もちろん尊敬にも近い念を抱く鎮座のRAPは私も見たいが、RAPPERがLIVEをするというのは心身共に大変な仕事で、『体は消耗する』ということを考えると、DJだけでも拝めてありがたやぁと私は思った。
Stillichimiyaは音響のせいで盛り上がらなかった。
「何言ってっかわかんねーぞー!はっきりRAPしろー!」という愛あるヤジも飛び交う中、田我流は「東京は冷てぇなぁ」と一言漏らす始末だ。
みんなやべぇ勢いですげぇ盛り上がりたかったのだが、この日はちょっと可哀そうなアクトとなった。
その代わり、というか、やはりというか、度肝を抜かれたのはOzrosaurusの1MC&1DJのLIVEだった。
マッチョ(Ozrosaurus)のネームバリューに比べて、曲については『AreaからArea』の
バースしか知らない人は結構いると思う、私も含めて。この日もそんな人が多かったのではないだろうか。がしかし、我々すべてはここでHIPHOPとはなんなのかを体感することになった。MICに通る一語一語、年季の入ったぶれないライミング、間合いの取り方。MICはビカビカと光っていて、私は思わずNASを想った。Put your hands upも、Call and responseも、首を振ることも、声をあげることも、この瞬間はやってしまう、やりたくなってしまう程に、マッチョがこの日の全部を持って行ったことに全員が納得していた。
最後には本物の『AreaからArea』を熱いフロアは大合唱し、みんなの顔はいいものを観たぞとニヤニヤほくそ笑んでいた。
くぅぁ~HIPHOP最高だぁ~。
もちろんファーム君もぶち上がりまくっていて、彼の友達たちと最後のSEX山口のステージに上がって客を煽る始末だった。
「こういうのは大体オチはないんですよね~」と、セク山さんからのツッコミもいただき、最高のブロックパーティーは幕を閉じた。
都会のど真ん中の野外というロケーションはなかなか珍しく面白い。東京らしさを感じることのできるパーティーだった。今回はゲストも豪華で特別だったけれど、スタッフの人も優しくて、また顔を出したいなぁと思わされるNICE Partyでした。
はぁ、TOKYO最高だぁ~。