野郎たちとの生活2019.02.26
事情により、島の公民館の図書室に住んでいる。
畑で働く野郎と、工場で働く野郎、2部屋プラス廊下にバティックで作られた1部屋に分かれて7人での共暮らしだ。
坊主5人、ロンゲの俺、モヒカンの剃り部分に墨が入ったのが1人、喫煙、飲酒、トランスとヒッピーミュージック、タイダイのバティック、だらしなさMAXで皆リラックスして暮らしている様子は海外のゲストハウスとなんら変わりない。
これぞ季節労働者らしい暮らしの景色。
みんな30歳を越えていい歳なので、互いに干渉し合ったり、とくに喧嘩もない。
夜中にいきなりディジュリドゥやアサラトが響いたり、朝方女の子を布団に連れ込んで来る奴がいても、とくに問題ない。
みんな気のいい奴らだ。
久しぶりにこういう世界へ戻ってくると、自分がどれほど日本の世間から外れていたのか(いるのか)よく分かる。はたから見れば滅茶苦茶だ。
公民館には食堂もついていて、食事をしに他の宿に泊まっている工場勤務の人も朝夕やって来る。派遣会社を通してこの仕事に来ている彼等はまた少し、違う。もともとは友達のつてや工場直で人を集めていたが、ネットを介すると集まるのは世間のマジョリティから間引かれる人間だ。区別はしないが、公民館に住んでいる我々と見るからに明らかに違う人種に見えてしまう。
こちらの生活は欲や活力が溢れ出して見てられない感じだが、あちら側は静かでガス切れ気味なダウナー感を放っている。食堂のおばちゃんに「いただきます」の一言でも言えばいいのにと思っている私のことを、あちらは朝から爆音でうっさい軽トラだなオイと思っているだろう。
お互い大切にしたいことが違うのかもしれない。
日本の最西端にある与那国島の気候は東南アジアに近い。
今年は2月でも暑く海に入れる日もあるし、雨はスコールのように降って来る。
給料や車や商店や植生やなんやかんやでも日本や沖縄本島とは違った異国を感じることが出来る。
どこでもない場所的なこの島で、自分は社会や世界のどこにいたいのか。
図書室の暮らしでゆっくりと探っている。