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古民家改装DIY その22022.03.29

大工仕事は新鮮だ。

全部の作業がほぼ始めてやることなので出来ずに当然なのだが、自分の適当具合についつい苦笑いがこぼれてしまう。

例えば、真っ直ぐに線が引けない。

直角をとるためのL字形の差し金、これは中学の時にたしか授業で使った記憶があるが、なんだか何度やっても材に対して真っ直ぐ線をひけている気がしない。しかも、ノコギリでその線を切ると、ノコギリの刃がその線上を真っ直ぐに進んでくれない。ボーッとしていると線はうねうねと蛇のように蛇行してしまう。案の定フニャフニャなその切れ端は収まるところに収まってはくれず、トンカチで力づくで打ち込んだり、ヤスリで削ってなんとか押し込む始末・・・。

その失敗の度にYoutubを見ては道具の使い方から勉強し直しだ。

こんなことでは全然終わりが見えない。

 

数日もがきながら作業してわかったことがある。

埋まらない隙間やいつまでもきっちりと取れない直角線は私のせいだけではなかった。

家が歪んでいる。

しかもその歪みは単純に西から東へ〜というレベルではなく、部屋の四隅を構成する木自体がゆる〜くカーブを描いていたり、土台の水平がとれておらず、床の所々の高さが少しずつバラバラだった。

なので、なぜピシッとハマらないのかは私の力量のためか家の不具合のためかよくわからなかった。

なので私は決めた。

もうこれは楽しむしかないと。

完璧にバシッとはれた床がかっこいいのは決まっているが、これは私が手がけた最初の家で実験台なのだ。歪んでいてもご愛嬌、それでいいではないか。

そう思うと少し気が楽になった。

 

 

先日、実家の近所に住んでいる建設会社に務めるおじさんと話をすることがあっていいことを聞いた。

 

「大きな橋ってあるじゃない、レインボーブリッヂとか。ああいうのって、土台を作るときは結構大体の目安でいいんだよ。最初から全体の100%の想定はしていないんだ。だから、大体の土台の上に大体の基礎、大体の基礎の上に大体の柱みたいに、少しずつ精度を上げていって、最後にピシッとしっかりした橋が出来上がるんだ」

 

この話は私の家づくりに当てはめるには無理があると思うが、最終的に「よし」とするところに少しずつ持っていくことが大事で、過程の歪さはできるだけの努力で構わないというメッセージだと都合よく受け取って今回の家の完成の指標にしようと思った。

自分の満足できる形が必要なゴールだ。

そう思えるとDIYは本当に楽しい。

自分の家の床下がどうなっているかを見て納得したり、床を踏んで軋む部分があればその原因を想定できる。

生産地や生産者の顔が分かる食べ物と同じ感覚だ。

 

とか言って、家が出来上がった時にこんなゆーちょーなことを語っていることが果たしてできるだろうか。

斜めの床や隙間風は「味があっていいでしょ」とは決して言えないぞ。と、自分に自敬する。

 

 

やっと一部屋目の床が張り終わろうとしている。

振り返ると、ああすればこおすればという箇所が数え切れないくらいある。が、もう一回剥がしてやり直すことは出来ない。

それは次の部屋の床でリベンジだ。

これでいいのだ。

とありえず、自分の中で「よし」となったのだから。

 

続く!

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