
展示会場を歩いてみてください。
数百のブースが並ぶ中、あなたの足が止まるのはどんなブースでしょうか。
逆に、素通りしてしまうブースには何が欠けているのでしょうか。
多くの企業が「出展すること」自体が目的になってしまっています。ブースを構え、パンフレットを並べ、スタッフが待機する。
しかし、来場者は足を止めません。
名刺交換もまばらで、展示会が終わって振り返ると、「あれだけ費用をかけたのに、成果がよくわからない」という結果になってしまいます。
一方で、同じ展示会に出ていても、常に人だかりができているブースもあります。
この違いはどこから生まれるのでしょうか。
答えは、**「来場者に何を伝えたいかが明確かどうか」**です。ブースのサイズや予算の問題ではありません。
「うちのブースに足を止めてほしい人は誰か」「その人に、3秒で何を伝えるか」——
これが決まっているブースは、自然と人が集まります。決まっていないブースは、どれだけ装飾にお金をかけても素通りされてしまいます。
展示会プロモーションとは、単なるブース装飾ではありません。「誰に、何を伝え、どう行動してもらうか」を設計することです。
この記事では、展示会で成果を出すための考え方と、実際に私たちが手がけた事例をもとに、成功するブースの作り方を解説します。
展示会に出展する企業の多くが、最初に考えるのは「何を展示するか」です。
新製品を並べよう、デモ機を置こう、パネルで実績を紹介しよう。
しかし、成果が出ているブースは、順番が逆です。
「誰に来てほしいか」が先に決まっていて、その人に向けてすべてが設計されているのです。
私たちが手がけた東急プラザ銀座のポップアップイベントを紹介します。

このイベントの目的は、館内の英国ブランドへの誘客でした。ただ「英国フェア」と銘打っても、人は集まりません。
銀座を歩く人にとって、「英国」だけでは足を止める理由にならないからです。
私たちが考えたのは、「英国に興味がある人」ではなく、「銀座で上質な体験を求めている人」に来てもらうことでした。
そこで、ブリティッシュガーデンをテーマにした空間を作り、著名人のトークショーや革靴メンテナンス講座など、
「参加したくなる体験」を設計しました。英国ブランドの商品を並べるのではなく、英国的な「体験」を入口にしたのです。
結果、前年同月比売上223%を達成。各テナントへの誘客にも成功しました。
一方、よくある失敗パターンがあります。
「せっかくの展示会だから、あれもこれも見せたい」と、ブースに情報を詰め込んでしまうケースです。
新製品も、既存製品も、会社の歴史も、技術力も、全部伝えたい。その気持ちはわかります。
しかし、来場者の立場で考えてみてください。
数百のブースを歩いている中で、情報量が多いブースは「なんか難しそう」と素通りされます。
逆に、「これは自分に関係ある」と一瞬で思わせるブースには足が止まります。
伝えることを絞るから、届く。 この原則は、展示会ブースでも変わりません。
展示会場を歩く来場者が、あなたのブースにたどり着くまでには、3つのハードルがあります。
1つ目:気づく ——数十〜数百のブースが並ぶ中で、「あそこ、何だろう」と存在に気づいてもらう。
2つ目:近づく ——気づいた上で、「ちょっと見てみようかな」と足を向けてもらう。
3つ目:話を聞く ——ブースに入って、スタッフの説明を聞いてもらう。
この3つをクリアして、ようやく商談のスタートラインに立てます。どこかで離脱されたら、そこで終わりです。
それぞれのステップで何が必要か、順番に見ていきましょう。
展示会場では、来場者は通路を歩きながらブースを眺めています。立ち止まる前に、まず「目に入る」必要があります。
ここで大事なのは、**派手さではなく「視認性」**です。
私たちがYDKテクノロジーズの海外展示会(上海・Marintec China 2023)で手がけたブースでは、
遠くからでも見える大型ロゴを展開しました。
色数を絞り、社名とブランドカラーをシンプルに打ち出しています。
装飾を足すのではなく、「何のブースか」が一目でわかることを優先したのです。
情報を詰め込んだパネルは、近くに来ないと読めません。
10メートル先からでも「あそこは○○の会社だ」とわかるようにすること。それが「気づいてもらう」ための第一歩です。
気づいてもらっても、来場者は頭の中でこう考えています。
「あのブース、自分に関係あるかな?」「わざわざ近づく価値あるかな?」
この問いに答えられなければ、素通りされてしまいます。
効果的なのは、「誰のための」「何を解決する」が一目でわかるメッセージです。
「製造業の在庫管理を変える」「物流コストを30%削減」——来場者が「自分ごと」として捉えられる言葉を、
ブースの一番目立つ場所に掲げてください。
製品スペックや会社の歴史は、興味を持ってもらってから伝えればいいのです。
最初の接点では、「あなたの課題を解決できますよ」というシグナルを出すことが優先です。
近づいてきた来場者が、最後に判断するのは「このブースに入っていいのかな」ということです。
意外と見落とされがちですが、ブースの「入りやすさ」は設計できます。
たとえば、通路との境界をあいまいにして、「ちょっと覗いてみようかな」と思わせます。
商談テーブルを奥に配置し、手前には立ち話できるスペースを作ります。
スタッフがブースの奥で待機するのではなく、通路側で自然に声をかけられる位置に立ちます。
YDKテクノロジーズのブースでは、カウンターテーブルとローテーブルのエリアを分けて配置しました。
「ちょっと聞きたいだけ」の人と「じっくり商談したい」人、両方に対応できる設計です。
来場者が「近づいてもいいんだ」「質問してもいいんだ」と感じられる空気を作ることが、最後のハードルを越える鍵になります。
展示会で成果を出すためには、ブースのデザインだけでなく、事前準備から当日、事後フォローまでの流れを設計することが重要です。
私たちが普段行っているプロセスを、3つのフェーズに分けて紹介します。
展示会の準備で最初にやるべきことは、ブースのデザインを考えることではありません。
「この展示会で、誰に来てほしいか」を明確にすることです。
新規顧客を獲得したいのか、既存顧客との関係を深めたいのか
来てほしいのは経営層なのか、現場担当者なのか。目的とターゲットによって、ブースの設計は大きく変わります。
ここが曖昧なまま進めると、「なんとなく良さそうだけど、誰に向けているのかわからない」ブースができあがってしまいます。
ブースに来た人が、どんな順番で何を見て、どんな体験をするか。これを事前に設計しておくことが重要です。
入口で目に入るメッセージ、製品のデモンストレーション、スタッフとの会話、持ち帰る資料やノベルティ
——それぞれの接点で、来場者に何を感じてもらいたいかを考えます。
「たまたま通りかかった人」が「名刺交換をして帰る人」に変わるまでの導線を、意図的に作るのです。
展示会で名刺を集めても、そのまま放置されているケースは少なくありません。
実は、展示会の成果は「事後フォロー」で決まると言っても過言ではありません。
展示会後1週間以内に、来場者へのお礼と資料を送付します。
興味度合いによってリードを分類し、優先度の高い順にアプローチします。
商談化までの流れを事前に決めておくことで、せっかく集めたリードを活かすことができます。
展示会に出展した後、「で、成果はあったの?」と聞かれて困った経験はないでしょうか。
展示会の効果測定は難しいと言われますが、何を測るかを事前に決めておくことで、振り返りが可能になります。
最もシンプルな指標は、名刺交換の数です。ただし、数だけでなく「質」も重要です。
来場者との会話の中で、「すぐに検討したい」「情報収集段階」「とりあえず話を聞いた」など、
温度感を記録しておくと、事後フォローの優先順位をつけやすくなります。
展示会で獲得したリードが、その後どれくらい商談に進んだか、成約に至ったか。
これを追跡するには時間がかかりますが、展示会の投資対効果を測る上で最も重要な指標です。
CRMなどで展示会経由のリードをタグ付けしておくと、後から振り返りやすくなります。
数値だけではわからない「定性的な効果」も大切です。
「ブースのデザインが目立っていた」「説明がわかりやすかった」「もっと詳しく聞きたい」
——スタッフが来場者から受けた反応を記録しておくことで、次回の改善点が見えてきます。
効果測定は、「成功したかどうかを判定する」ためだけのものではありません。
「次回どうすればもっと良くなるか」を考える材料を集めることが目的です。
ここまで、展示会で成果を出すための考え方を解説してきました。最後に、大切なポイントを振り返ります。
展示会は、単なる「名刺を集める場」ではありません。来場者が初めてあなたの会社と出会う、ブランド体験の場です。
ブースの見た目、スタッフの対応、持ち帰る資料——そのすべてが「この会社はどんな会社か」を伝えています。
成果を出すブースは、この一つひとつを意図的に設計しています。
「誰に来てほしいか」「何を感じてもらいたいか」「どう行動してもらいたいか」。
この問いに答えを出した上で、ブースを作っています。
逆に、この設計がないまま「とりあえず出展」すると、どれだけ予算をかけても成果につながりにくいのです。
もし今、展示会への出展を検討しているなら、まず**「この展示会で、誰に、何を伝えたいか」**を考えてみてください。
すぐに答えが出なくても大丈夫です。むしろ、答えが出ないこと自体が、相談すべきタイミングかもしれません。
私たちザ・カンパニーは、展示会のブースデザインだけでなく、
「誰に来てほしいか」「何を伝えるか」というコンセプト設計から一緒に考えることができます。
東急プラザ銀座、YDKテクノロジーズなど、展示会・イベントを数多く手がけてきた経験をもとに、
御社に合った展示会プロモーションをご提案します。
初回のヒアリングとお見積もりは無料です。お気軽にご相談ください。
株式会社ザ・カンパニー
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プロダクションマネージャー
映像会社を経て、ザ・カンパニーに入社。ウェブ、グラフィック、映像、アプリなどのクリエイティブ制作進行を担当。