
伝わるデザインには3つの条件があります。「誰に」「何を」「どう伝えるか」が明確であること。
この3つが揃っていないと、オシャレなのに伝わらない、という状態が生まれます。
「デザインはオシャレなんだけど、なんかいまいち伝わってこない」
パンフレットやWebサイトを外注したとき、こんな違和感を感じたことはありませんか。
見た目は整っている。でも、何を伝えたいのかがぼんやりしている。結果、問い合わせにつながらない。
これは、デザインの「見た目」だけが先行して、「伝える」という本来の目的が置き去りになっているケースです。
デザインの目的は「伝えること」です。見た目を美しくすることは手段であって、目的ではありません。
でも、デザインの発注や制作の現場では、「カッコよく」「オシャレに」「今っぽく」といった見た目の要望が先行しがちです。
その結果、誰に何を伝えるかが曖昧なまま、表面的な美しさだけが追求されてしまう。
伝わるデザインには、3つの条件があります。
「誰にでも伝わるデザイン」は、実は「誰にも刺さらないデザイン」です。
ターゲットが曖昧だと、メッセージもビジュアルもぼんやりします。
20代女性向けなのか、50代経営者向けなのかで、色使いもフォントもレイアウトも変わるはずです。
デザインを発注する前に、まず「誰に届けたいのか」を明確にする。これが最初の条件です。
伝えたいことを全部詰め込むと、結局何も伝わりません。
パンフレットやWebサイトに、あれもこれも載せたくなる気持ちは分かります。
でも、情報が多すぎると、読み手は「結局何が言いたいの?」となってしまう。
伝わるデザインは、メッセージが絞られています。
「一番伝えたいことは何か」「これだけは覚えて帰ってほしいことは何か」——この問いに答えられるかどうかが分かれ目です。
ロゴ、Webサイト、パンフレット、名刺——それぞれがバラバラのトーンで作られていると、受け手は混乱します。
「この会社は何を大切にしているのか」が伝わらない。
信頼感が生まれない。せっかくの接点が、ブランドの蓄積につながらない。
伝わるデザインは、全てのタッチポイントで一貫したトンマナ(トーン&マナー)を持っています。
色、フォント、写真のテイスト、言葉遣い——これらが揃っていることで、「らしさ」が伝わるのです。
この3つの条件が揃うと、デザインはどう変わるのか。高尾山のブランディング事例で見てみましょう。
高尾山は、首都圏から好アクセスで知名度も高い観光地です。しかし、ある課題を抱えていました。
「登山」というイメージに留まり、日本遺産として認定されている自然環境、
歴史的価値、四季折々の魅力といった多彩な観光資源が十分に伝わっていなかったのです。
特に若年層や外国人観光客に対して、高尾山が持つ本質的な価値と楽しみ方の多様性が届いていませんでした。
名前の認知度は高い。でも、具体的な魅力の解像度が低い——まさに「知られているのに、伝わっていない」状態でした。
この課題に対して、まず行ったのは「整理」です。散在していた高尾山の魅力を体系的に整理し、
ターゲット層に応じた切り口で可視化しました。
条件①:誰に伝えるか
若年層と外国人観光客をターゲットに設定。日英バイリンガルで展開することを前提に設計しました。
条件②:何を伝えるか
「近くて、たのしい、日本遺産。高尾山」というタグラインに集約。
アクセシビリティの高さと世界遺産級の価値を併せ持つ、唯一無二の存在であることを訴求しました。
条件③:どう伝えるか
ブランドブックでは高尾山の歴史、自然、文化、アクティビティを体系的に紹介。
季節別ポスターでは春夏・秋冬それぞれの魅力を視覚的に表現し、年間を通じた観光価値を明確化しました。
全ての制作物で一貫したトンマナを維持し、「高尾山らしさ」を伝えています。
結果、季節ごとの魅力を明確に打ち出すことで、リピート訪問を促進する仕組みを構築。「登山の山」から「四季を通じて楽しめる日本遺産」へと、イメージの転換に成功しました。
伝わるデザインには3つの条件があります。
「オシャレなのに伝わらない」は、この3つのどこかが欠けているサインです。
デザインの見た目を議論する前に、まずこの3つを確認してみてください。
「誰に何を伝えるか、自分たちでは整理しきれない」「今の制作物がバラバラで統一感がない」
——そんな課題を感じていたら、一度お話しさせてください。
TheCompanyは、対話を通じて企業の本質的な価値を見つけ、伝わる形にすることを専門にしています。
デザインの発注前に、一緒に整理するところからお手伝いできます。
A. 最も重要なのは「機能要素と装飾要素のバランス」です。どちらか一方に偏ることなく、目的に応じて適切に配分することが大切です。一般的には、情報の伝達と使いやすさを優先しながら、ブランドの個性を表現する装飾を適度に加えることが効果的です。BtoBサイトなら機能重視、ブランドサイトなら装飾要素を増やすなど、用途に応じた調整が必要です。まずは自社のデザインがどちらに偏っているか診断することから始めることをおすすめします。
A. ブランドガイドラインの作成が最も効果的です。カラーパレット、タイポグラフィルール、余白の使い方、画像のトーン&マナーなどを明文化し、チーム全体で共有することが重要です。また、デザインパターンライブラリを作成し、再利用可能なコンポーネントを整備することで、異なる制作者が関わっても統一感のあるデザインを実現できます。定期的なデザインレビューの実施も一貫性維持に役立ちます。
A. 色彩選択は業界特性とターゲット層を考慮することが基本です。信頼性を求められる金融・医療業界なら青系、環境配慮を訴求するなら緑系、エネルギッシュさを表現したいなら赤系が効果的です。また、プライマリーカラー1色、セカンダリーカラー2-3色、アクセントカラー1色の組み合わせが理想的です。色覚多様性への配慮も忘れずに、コントラスト比はWCAG 2.1のAAレベル(4.5:1以上)を維持しましょう。
A. まず情報の階層構造を明確にし、3クリック以内で目的の情報に到達できる設計を心がけます。フォントサイズは最低16px以上を確保し、行間は文字サイズの1.5-1.8倍に設定します。また、視線の流れを考慮したZパターンやFパターンのレイアウトを採用し、重要な情報を適切に配置します。定期的にヒートマップ分析やA/Bテストを実施し、データに基づいた改善を継続的に行うことも大切です。
A. 定量的指標と定性的指標の両方で測定することが重要です。定量的指標としては、ページ滞在時間、直帰率、コンバージョン率、クリック率などをGoogle Analyticsで計測します。定性的指標としては、ユーザーインタビューやアンケート調査でブランド認知度や好感度を測定します。また、ヒートマップツールで視線の動きを分析し、意図通りに情報が伝わっているか確認することも効果的です。月次でこれらの指標をレビューし、PDCAサイクルを回しましょう。
A. AI技術の活用とサステナビリティへの配慮が不可欠です。生成AIツールを活用した効率的なデザイン制作プロセスの構築、パーソナライゼーションの強化、インタラクティブな要素の実装などが求められます。また、環境負荷を考慮したデザイン設計、デジタルファーストのアプローチ、アクセシビリティの向上も重要な要素です。最新技術を取り入れながらも、ユーザー中心の設計思想を忘れずに、本質的な価値を提供することが成功の鍵となります。
株式会社ザ・カンパニー
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-31-7 ビラ・グロリア#503
TEL:03-6438-1915
https://the-company.co.jp/

アートディレクター
新潟県出身。印刷会社、デザイン事務所、広告代理店を経てTCに参加。人の心に響くコミュニケーションデザインを心がけています。