Notes

2022/11/30
パーティーレポート 変態キャンプ@ヴィレッジ白州

SLICKの後はやってしまった感があってもう当分パーティーはいいやと自虐気味になっていた。

しかし偶然、いやガイダンスの下にとっていた3連休は最高の晴れ予報となった。

私は詳細のなかなか発表されない変態キャンプの動向を気にしないふりをしながら伺っていたが我慢できず、オーガナイザーのアラサワアキラ氏にFBでメッセージを送った。

「メッセージ失礼致します。Hentaicampは一般向けチケットはありませんでしょうか?」

夜中の2時半に返信は返ってきていた。

「ありますやを」「1まん」「エントランスで」

という、ゆるめでぬけめの日本語でわざわざ返信をいただいた。ということで、

「ありがとうございます!仕込み頑張ってください!」

となり、急遽長野の県境まで2時間車を走らせた。

 

 

演者は鎮座DopenessやbonoboのSEIさんなんかの名前があって見どころあるなと思いつつ、普段自分が行くイベントでは目にしない名前が半分以上だった。

変態を自称しながらの手作り感で何か起こっちゃいそうなそうなワクワク感。いろんなカオスをひっくるめ、変態カメラマンのドギツイサイケデリックが会場全体を包括している。

そんなイメージのパーティーだ。

 

当日は最初の演者の時間くらいに到着した。キャパのない駐車場らしく焦ってinしたが、ゆるいイベントのようでまだ皆さん設営中らしい。

エントランスでYou The Rockからチケットを買った。演者も運営を手伝っているのか。すごいな。

とか思いながら、会場の一番端っこにテントを張った。サイトマップとかはなくとにかくゆるい。「レイブじゃなくてキャンプです」と謳っているが、大人数で派手なキャンプをしているような雰囲気がある。いい具合にとてもゆるい。

 

 

3DAYSだったので初日はまだ客の入りは少なめだった。2日目の夜から朝にかけてピークをもってきている。

しかし早めの時間帯には久しぶりに見るような祭り系でほっこり系のヒッピーバンドやギリギリOKなEDMを仕掛けるDJとかが見れて収穫があった。音は鳴り続けるので夜のフロアは数人しかいなかったが、どの演者も色物でなくて個性的で格好よかった。どのパフォーマンスにも根底に明るいサイケデリック感が上澄みのように漂っている。これをマイクを通して公言するアーティストも多く、皆の共通認識の下に暖かい雰囲気がある。

会場のヴィレッジ白州は長い林道の終点にポツンとある本来は人気の無いキャンプ場だ。

トリップは強烈も強烈だ。

 

 

SLICKの反省を生かし、今回は真剣に音楽を聞こうと心に誓い、誰よりもフロアにいたと思う。ほとんどシラフで冷静に、しかも初日から一人で、最終的に最後までここにいたというのは稀有な存在だろう。

新鮮だったことがある。アーティストが自分よりだいぶ若いのだ。(驚くことか?)

どんぐりずやilliomoteとかは3、40代メインのオーディエンスからは目新しく映ったかと思う。小さな頃からトラップやダンスミュージックを潜ってきた今のラッパーのステージングや(ちょーかっこよかった)、アイドルやアニメの音楽的要素を取り込んだ地下寄りのバンドを見たのは私は初めてで、変態キャンプから問題を出されたような気持ちになった。これはあり、これはなし、というのではっきりと客のノリが変わった瞬間が答えだったが、正解などないのだと思った。

 

 

そんな夜のDEEPな問答を繰り返し朝を迎え、なるべく早めに私は家路に着こうと思った。

しかしなんと、縦列した私の車はパーティーが終わるまで動かせないことになってしまった。終わった。

いつまでも終わりたくない、終われない最高にハッピーなフロアを眺めながら最後まで私もお付き合いすることになった。

フロアのゆるさはかなり極まってきていた。もう宴は終わろうとしているのに、やっと始まった的熱量で踊っている者もちらほら。

最後には男根の神輿が登場し、女性たちが替わるがわるそれに乗って担がれフロアを行脚していた。

これは芸祭ゆずりの伝統なのだろうか。

こういう具合に音楽だけでなく合間合間にshowの要素が入っていたのはお祭り感があって単純にエンターテイメントとして面白かった。人の会話やトークがあると温度が伝わるので会場の一体感が増す。本気で大人がおちゃらけようとなるとこういう体現になるのか。

レイブでも祭りでもフェスでもない、どれにもどこにも収まらないものを収めたものが変態キャンプだった。

終演後、まだまだ収まらない者達は大変そうだったが、主催のアラサワアキラ氏はバチッとしていた。ありがとうございました、と挨拶をするとしっかりと返事をしてくれ、大層な男だと思った。

 

勢いと刺激が欲しいなら行って間違いのないパーティーだろう。

まだ動かない車の縦列の車窓から、撤収を手伝うゆるふわギャングを見かけ、変態キャンプはこれからも愛されて太くなっていくのだろうなぁと思った。

 

今年の野外はもう、無事にお腹いっぱいとなったのであった。

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