選挙フェスをフジロックに例えていうならば、DELIがPublic Enemy、小沢さんはジョージクリントン、鎮座DOPENESSがBoredomsで、とりの三宅洋平がRed hot chili peppers、みたいなイメージだろうか。Rankin Taxiは泉谷しげるかな。(彼にしかできないことがある)。
俺はとりのステージにはそんなに興味がなかったが、他の4組が魅力的だったので電車のチケットを買って4度も都内の駅前のステージへ足を運んだ。
観たいものを観て、さて帰ろうかとグリーンステージの人込みを通り過ぎる時、レッチリのステージに観客が陶酔している光景をみて、「あぁ、これこそがフジロックだよなぁ」と思わされるのだ。
代々木公園以外でこんなに毎回誰かと遭遇できて、人目を気にせず酒を飲めて、音楽がFreeで聞ける機会は最近なかなかない。
そして、普段みているアーティスト達も今回だけは「政治縛りで友情出演」のステージなわけで、いつもとは違う本気がみられるのだから面白いに決まっている。
学生の頃も金がなかったので、ボランティアやバイトとして色んなフェスや祭りに係わった。
チケット、アーティスト、ステージ、照明、導線、救護まで、部署ごとに最高のプロを委託して完成度の高い空間を演出するフェスがあるかと思えば、できる限り多くのルールを参加者に任せるDIYな祭りもあった。
参加者達は裏も表も主催者の性格がそのまんま反映されて、その空間はその期間中だけサイケデリックな治外法権地帯と化する。
選挙フェスの主催者が三宅洋平だけとは思っていないが、彼の周りのボランティアも彼の色を反映している風貌だ。
ラスタカラーでデザインされた看板を背に、ドレッド、髭、ロンゲ、パンクス達がせっせとチラシを撒き、ステージを設営し、通路を確保している。
もっとチャラチャラしててアセンション的なノリでやっているのかと思いきや、ガチンコで「1票が欲しい」という熱が伝わってくる。
この期間、きっとみんなネタいってないんだろうな。
皆疲れて見えるが、本気がわかるいい表情だ。
初めて参加する「政治のフェス」のグルーヴ感は今まで味わったことのないものだった。
Rankin Taxiが「やめろ、きえろ、安倍晋三」とマイクで何度も絶叫し、DELIが「今この瞬間も俺達全員被ばくしてるんだぜ」とまくしたて、創価学会の信者の若い人は「公明党支持しません」とか言ってしまい、その辺で酒飲んでるおっさんや左の年増の人たちが勝手に「点字ブロックはあけてくださいね、お兄ちゃん」と声をかけ始め、奥様には「歌詞が聞こえなくなっちゃうからおしゃべりしないで!」と言われる始末だった。
そして何よりも、鎮座DOPENESSのLIVEは今まで見た中で1,2を争うSOULFULなものだった。
参加者全員が思ってることを正直に、ネット上ではなく生の声で世の中に暴露している姿はすさまじいエネルギーだ。誰が何を言ってしまうのか、なんとなくみんなハラハラどきどきしながらステージを見守っている。
彼らの言っていることが政治的に正しいかどうかは俺にとってはどうでもよく、みながステージの上で言いたいこと言いまくっている姿はROCKであり、単純にかっこいいよなぁとか思うのだ。
こういうの、いいLIVEっていうんだよなぁ。政治最高!
と、毎度ビール片手に完全に適当にフェスを楽しんでいる俺。
そう。思うことはそれぞれあるんだけど、それでいいんだと思います。
三宅洋平が言いたいのって、そういうことなのかな、と勝手に理解してます。
演説が注目されたり、ハチ公前に1万以上が集まってしまったり、SNS上で投稿がばらまかれまくっていたりと話題に事欠かない三宅洋平の選挙フェス。
今回は当選するのかなぁ。
10日、今から楽しみだぁ。
鎮様も言っている! 「遊ぼうぜ!NIPPON!」 YES!!!!!