Culture

2015/05/08
絵描きの友人・東京深夜徘徊のすすめ

メキシコで絵描きになろうとがんばっている友人が一時帰国した。

 

ゆっくりと会うのは3年ぶりなのでお互いよそよそしくなるかなぁと思いきや、

お互いが異国の生活を知ったことで話題には事欠かなかった。

むしろ、以前よりも分かり合えることが増えて嬉しい。

 

彼の作品達を眺めながら麻布十番の友人宅で酒を飲む。

海外の話になると無性にテンションの上がってしまう僕は最新のメキシコの話に夢中なる。

クンビアのレコードを堀に来ているDJや、ハイブリッド盆踊りと称してメキシコでイベントを企んでいる日本人、

僕がいた3年前もメキシコにいた共通の友人の話、サンタナのLIVEで腰を抜かした話、etc etc.

一番面白そうだったのは、一年に一度首都で行われるソニデロ(サウンドシステム)が一堂に会するメルセーの記念祭の話。

町中のブロックというブロックでソニデロが組まれ、老若男女がクンビアやメレンゲ、

サルサのラテンミュージックで踊り狂うことになるらしい。

9月かぁ。

思わず標準を合わせられるのではないかと想いを巡らす。

あぁ、メキシコへ行きたい。

 

友人の家は落合にある。

学生時代から彼とは夜中無意味に人気のない東京を徘徊して暇を潰すことがよくあった。

 

深夜2時発。

この日も久々に麻布十番から六本木、新宿へとゆっくり歩きながら落合の家を目指す。

4月末の夜中の気温は散歩にもってこいだ。 人気のない夜の東京の散歩には散歩としての意味がある。

青山通りの路地裏で用を足し、生きるためのアイディアや未来への希望を話しながら歩く。

学生の時と何一つ変わらない。

大人の世界を広く知った分、余計に夢は夢でなくなるような気がした。

 

そんなノスタルジーかつフューチャーな話をしながら青山に入った。

ワタリウム美術館の手前にこの時間でも開いているBARがあった。

名前はC.O.D。 壁にかかっているグラフィティの展示に目を奪われて中を覗いてみる。

僕は友人に「絵、見てもらえば?」と言うとそうなって、

絵描きでもある店員さんは閉店間近にも関わらず1時間以上も友人のコラージュや塗り絵を眺めながら深い話をしてくれた。

店員さんとの話はさっき僕らが話していた話の延長線上にあるかのようだった。

「君の作品、すごくいいよ」と言ってもらい、強く新しい繋がりが始まった。

友人の海外修行の成果が認められた瞬間に立ち会い、思わず熱いものが込み上げた。

深夜に偶然出会ったBARで、この展開。

眠気と心地よい疲労とその他もろもろものダメージもあったが、久々に気持ちのいい夜だった。

夜の東京の散歩はいつもいいことがある。

学生の時はものすごい拾い物をしたこともある。

まだまだ、路上には面白いことが転がっている。

 

書を捨てよならぬ、ネットを捨てよ、町へでよう。

 

いかにも。

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