今年の3月、原宿にあるバー、bonoboが特定遊興飲食店の無許可営業で警察の立ち入り注意を受けた。(詳しくはBuzz Feed Japanや音楽ナタリーをご覧ください)
内容を平たく言うと、「夜に酒飲めるとこで踊っている人がいるのはだめだよ。客、踊らせてるでしょ?」ということだ。
Gooood DJでありbonoboオーナーの成浩一さん(弊社の関口は成さんのMIXを探しております)のコメントは至極真っ当だ。以下、音楽ナタリーのインタビュー記事より抜粋
「風営法の話をしていていつも思うのは、騒音や違法薬物の問題と一緒にしないでもらいたいということ。例えば騒音などはクラブにも付いて回る問題です。店によっては違法薬物や暴力もそうかもしれません。それらは人に迷惑をかける反社会的なことですので、警察が動くのは当然。でも“踊ってはいけない、踊らせてはいけない”となると僕は理解できないし、そもそも騒音問題とは別の話だと思う。『クラブってうるさくて近隣に迷惑をかけるから、風営法で引っかかってもしょうがないよ』なんて意見が出ることがあるんですけど、それは騒音の問題としてみんなで話し合ってほしい。」
「つまらないと思うのは、それで小箱たちが委縮してしまうこと。法律だからもちろん守るんですけど、そうすると、僕自身以前よりもクラブシーンに活気を出すのが難しくなっている。営業許可を取り、法律に沿って営業するお店はたくさんあります。だから東京にクラブは残っているけれど、つまらない形では意味がないんですよね。そもそも“踊ってはいけない”なんて法律の正当性に疑問があるし、だからこそ抵抗したいし、『それっておかしいんじゃないか』って声をあげようと思っているんです。人に迷惑をかけなければ、どんなところでもいつでも踊っていい。僕からすれば当たり前のことが、今では理想になってしまっている状況です。」
じゃー営業許可とればいいんじゃない?
と思う方は、一度bonoboという『小箱』へ足を運んでみればいい。
それは六本木や麻布とかにある一般的イメージのクラブではない。成さんの言う「つまらない形」ではない場所がbonoboなのだ。大切にしたいことは、店の個性であり、魅力なのだ。さらに言えば、それは町や地域の財産だ。営業許可のために人、場所、構造が変わって画一化してしまえば、もはやbonoboはbonoboではなくなってしまうのではないだろうか。
踊ってはいけないというのは、今は、ごく小さな理不尽に聞こえるかもしれない。
しかし、ジョンレノンのイマジンが規制されたように、表現自体に規制がかけられた時代があったことを忘れてはいけない。
「今の日本、おかしいんじゃないか」 そう思う感覚に蓋をしないでほしい。
自分たちの遊び場を守るために、私もあきらめず声をあげていきたいと思う。