「ファン おはよう。 まだ次のセレモニーの空きある?できれば参加したいんだけど」
との旨のメールを送ると
「あぁ、もちろん。いつでも歓迎さ!あと、俺の誕生日にもセレモニーやるんだ」
と返信があって、後にコピペのテキストが送られてきた。
「やぁ、親愛なる姉妹達!もしこのメールを受け取ってなかったらと思って。愛と祝福を!
キミにはこのメッセージを今回のグループの一人として送っているよ。あと一ヶ月で俺は誕生日をコスタリカのホニャララの近くのハニャララにある家で迎えるんだ。そこで、シシリーから親愛なるダリオを迎えて、半月の夜に一晩中のセレモニーをする予定だ。アンデスからのサボテンの秘薬と共に。このメッセージは俺が一緒に歳を重ねたいと思っている人だけに送っているから、オープンサークルじゃないんだ。他の人には内緒にしておいてくれたら嬉しいよ。
僕らは小さな家に住んでいるから泊まるところは提供できないんだけど、近くのハニャララか、もう少し調子のいいヘニャララ(15分離れたところ)ってところに宿があるよ。もしキャンプしたいなら、僕らのパラダイスでぜひしてくれればいい!
セレモニーは日没後に始めるよ。ここには不要なメッセージは送らないで、詳細は直に連絡してくれ。そしたらしっかりとコンタクトがとれるからね。最寄りの空港はホニャララ。ダリオのために一人200~100ドルのドネーションをお願いしたいと思うよ。必要なら少額でも構わないさ。」
こんな詳細のメールが来るのは珍しい。
海外からわざわざシャーマンのゲストを読んで、外国からも友人を誘っている。アンデスのサボテンはきっとサンペドロだと想像できるけど、それ自体は大して特別なことでもない。
よくわからないけど、誕生日だからけっこうパーティーっぽいのかも。
とりあえず、行ってみよう。
友達のファンの家には、イスラエル人、コスタリカ人、アルゼンチン人、エクアドル人、アメリカ人と私の12人が集まった。日本に6年住んでいたイスラエル人のアヤさんは5歳の子供を連れている。いろいろ、謎が深まる。
セレモニーの場所は海を見渡せる丘の上だ。物々しい焚火のセットが準備されていて、周りを花で彩られたそれは生け贄を捧げる祭壇のような異彩を放っている。綺麗に組まれて置かれた薪はとても立派な木で、三日三晩、火を灯し続けても平気な量がある。
海の向こうで見えていた稲妻が夕方やってきて、時季外れのもの凄い風と雨になってきた。
一度焚きつけた火を絶やさぬためにファンとダリオは懸命だった。
どうやら火は大切な要素のよう。この天気ではセレモニーは難しいのではないか。
1時間ほど待っただろうか。
雨は止まないが、我々は屋根の下に隠れるように身を寄せ座り、海を背にした火を眺めるようにしてセレモニーはなんとかスタートした。
ダリオの前には写真で見たことのあるネイティブアメリカンのフェザーや石、緑の液体の入った大瓶、巨大などんぶりのような太鼓、木のみでできたマラカスなんかが置かれている。
まだ私には何が始まるのか予想がつかない。
煙草のリキッドが入った瓶が皆に回される。
久しぶりに粘膜にしびれる芳醇な苦み。
さぁさぁ、どうなりますか。
次回へ続きます。