Culture

2020/08/17
自粛VS季節労働者

なんの話をするにしてもコロナ抜きでは語れないご時世、いろいろな立場の人がいて色んな意見があるのだと再確認させられる今日この頃、皆様お元気でしょうか。

 

 

淡路島でのワカメの収穫を終えて、暖かくなった懐で再び温泉の旅に出発した。目指すは待ちに待った九州だ。

兵庫、岡山、鳥取、広島、島根と、温泉過疎地と呼ばれる地域にもこんこんと湧き出でる恵みのお湯に浸る。

ワカメで疲弊した体はみるみる蘇り、久しぶりに引き締まった体もどんどんとだらしなくなった。最高だ。キャンプ場や宿屋、どこの温泉街もほぼ無人に近く、とにもかくにも贅沢な時間を過ごした。

がしかし、自粛の余波は地方の温泉にも及ぶようになった。

 

 

 

 

私は数を攻めているわけではないので、狙いを定めてたどり着いたお目当ての温泉が締まっているときの残念さといったら、これが、もう、いやんなってしまうのです・・・。

 

 

 

 

メディアでは、「他県のナンバープレートがウンチャラカンチャラ」とも言われ出し、のんきに旅をしているだけで犯罪者のような気分になって鬱屈してしまう。町の公衆浴場での世間話もコロナ一色で、「道の駅に車中泊しとる奴おったぞ」とかが耳に入って来る。そそくさと風呂場を後にする。

これでは旅を続けていてもしょうがない。

再び、働こう。

 

この時期は季節労働者にはブレイクのようなタイミングで、色んな仕事があるシーズンではない。

お茶の仕事が、方々にてんてんとあるくらいだ。

 

お茶、お茶か。・・・てっちゃんか。

宮崎に移住してお茶の仕事で独立した古い友人の顔が頭に思い浮かんだ。というか、全身に立派に入った彼のタトゥーを想い出した。

夢にまでみた九州への足掛かりには最高の場所とタイミングだ。

行き詰った道の進路が頭の中でパッと明るくなって開けた。

 

 

 

 

移動の制限がある今、移動を繰り返す暮らしの私は、皆様同様で、とても居心地が悪い。

生きるための生業は労働力という名の物流だし、新しい体感が生きがいでこの暮らしをしているわけであって、「自粛」は重たい現実だ。

 

ただ、コロナの一件でバーチャル世界が広まって現実世界が小さくなったことは、自分のような生き方をしている人間にとっては面白みを増す結果になると思っている。人がリアリティーから遠ざかれば遠ざかるほど、現実はスカスカで動きやすいし楽しみやすい。

仕事にしても遊びにしても、新しく入り込める領域が拡がるはずだ。

 

 

 

 

どんどんと新しい世界になっている毎日を感じるが、それに合わせて順応できるように動物的でいたいと思う。

定住する友人の多くはこのタイミングで畑を始めた。当然の流れだと思うし、みんな生きることに直観的だ。

 

私は相変わらず貧乏な流れの暮らしだが、目の前の世界は今日も明るい。

 

皆様の今日も、ほがらかな日となりますように!

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