ZINEを作った。
私は架空の相手に手紙を書く想定で6つの文章を書いた。友人は絵を描いた。
冊子という形で作品を作るのは今回で3度目だ。
作品というからにはコンセプトがあって作られた理由がある。
最初の一冊目を作ったときは、自分と友人達の生活の荒廃、体調不良など、皆人生が不安定になっていた時だった。ストレスの発散は飲酒やその他もろもろによって解消されようとしていたが、それらは不調をさらに悪化させているだけだった。
全ての苛立ちを消化させるには創造しかなかった。
何も無い所から何かを創り出す作業というのは自分が唯一自由になれる場所だった。
少なからず生きづらさをこの世の中に覚えている人は何かを生み出す作業をした方がいい。
今回は言わずもがな、コロナの影響で作品を作った。
私はいつも移動しまくることが人生の根幹だったがそれが出来なくなった。友人は人生の伴侶を失い、一人になった都会の部屋で在宅勤務を送る孤独な日々をおくっていた。
他にも一緒に作品を作りたい友人はいたが余裕があるのはどうやら我々二人だけだった。
我々は酔っ払いながら全ての憂さを晴らすために数年ぶりにZINEをつくることにしたのだった。
伝えたいメッセージは特にない。誰にどう見られたいとかもない。出来れば見られたくない。
今の生活で溜まったガスを思いっきり抜くだけだ。ぶっ放せばなんでもいいのだ、別に。
ただ、いつものように自己満足でそれを終わらせない所がミソだ。他人の目に触れる作品を作る。自分の形が社会や世界に開かれるということだ。そこが大事だ。
友人の絵はお世辞にも社会的に見た目がいいとは言えない。誰が見ても、「ちょっとゆがんでる」素敵な絵を描く。私の文章も体裁こそ保ってはいるものの何がいいたいのか全く分からない。目に毒な作品かもしれない。見る人によっては迷惑かもしれない。親とかには見て欲しくない(結局見せた)。
冊子自体の作りもコンビニ白黒プリントをホッチキスで止めただけのチープさだ。
とてもデザイン会社のnoteを書いている人間のものとは思えない。
ただ、そういう個性が今の我々の状況をフィジカル化した結果になった。これでいい。
出来上がったZINEはMIXCD(ダメ押しのひどいアバンギャルド、ノイズ)をつけて友人達に配ったり、SNSで欲しいと言ってくれた人に配送している。
物好きな本屋や雑貨屋が置かせてくれればそれは幸せなことだが、作品が仕上がった時点で我々の仕事は全て終わったような気持になっていてもう大分すっきりしている。
このような紹介文で読んで欲しいと言う方がおかしいが、もしもご興味を持たれた方がいらっしゃれば、郵送させて頂きますので下記アドレスまでご一報ください。よろしくお願いします。
tomo.sahara.jp@gmail.com