Culture

2021/01/15
自粛要請中の大阪 その1

久しぶりに大阪へ戻ってきた。

毎度世話になるホステルChill outは他のどの宿屋とも同様に閑散としていた。

ドミトリーを一人で居心地よく専有させてもらいながら自粛中の大都会を見学することにした。

 

初日から、水曜でも関係なく遊んでくれる友達と共振異空間住居阿波座ハウスのパーティーへ行く。

ここはカオスなヒッピー小屋で、1000円で泊まれるドミトリーとパーティースペースを兼ねている場所だ。周りの背の高いマンションやオフィスビルの谷間でしれっとサイケなパーティーをやっている。噂では宿泊者の風呂は屋上のドラム缶風呂で、その目隠しは布だけらしい。なので、風が吹くと周りのビルから丸見えになってしまうという・・・。

ここのクルーはパーティーのデコも仕事として受けているらしく部屋の中に納まり切らないモノたちがビルの外まで勢いよく飛び出している。なんとまぁ、大阪らしい光景だ。

 

 

 

 

2階にあるパーティースペースではテクノがかかっている。

フロア前方は畳が4畳半くらい敷いてあり靴を脱いでそこへ上がる。ぐちゃっとした原宿のbonoboのような感じだ。ネット配信もしていてなかなか頑張っているぞ。

前回の滞在で知り合った友達はまだ顔と名前を覚えていてくれてとても嬉しかった。

普段よりも客の入りは少ないらしく演者を含めても10数人のパーティーだった。

自粛が発表されて3日後くらいだったが特に普段のイベントと変わらない感じだ。そうか、こういう日常のグループもあるわけだな、ふむふむ、なるほど。

これならば大阪は遊びに行くところがけっこうあるかもしれないぞ(不謹慎)。

 

 

 

 

翌日は数年前の記事にも書いたLion magicの木村さんに会いに行く。

クラブ勤務の友人マロと一緒に行ったので話に花が咲きほこって木村さんはものすごいテンションだった。

 

「これ、コーヒー、良かったら飲んでくださいね、スタバの安いのやけど、うん。あ、レコードはね、ブックオフとかで探して来るねんけどな、値段買ったまんま置いてます。最近の若い子がどんなん買うのか分からんからな、色々聞いて、レコード好きになってくれたらとおもてな、置いてるんです。最近の子らは物欲なくて、収集癖とかもないやろ?もぉよぉ分からんくてなぁ~。あ、その久保田としのぶは売りもんじゃないんです、私物私物、ごめんなぁ。久保田としのぶやっぱり歌うまいよなぁ、ほんま。え?おねぇちゃんクラブで働いてるの?どこどこ?あ、年末にね、カクレアワビでパーティーやるんですわ、レゲェレゲェ!この日はもうほんま、狂いますよ!わたし、狂います!え?ブンブンさんも知っとんの?あ、お兄ちゃんは今ブンブンさんが工事してるとこの宿に泊まっとんの!?え!旅してんの?すごいなぁ!」

 

 

 

 

だんだん興奮していく木村さんはやる気になっていた。

 

「・・・酒飲む?」

ターンテーブル下にある小さな冷蔵庫からチューハイとハイボールが手渡される。

 

「これな、たまにやるんやけど、そこにファミマあるやろ?この1000円で、買える分だけ買ってきてください、酒!好きなの買って来てくれてええから!なんでもええ!お願いします!」

 

気が付くと私は木村さんのテンションのようにド派手なアロハとキャップ、レコードを買ってしまっていた。流石大阪の商人、客に嫌な顔をさせずに商売をするのが本当に上手い・・・。

この後タコス屋へ行こうとしていたが、相方のマロさんは完全にふらふらになったので解散した。

 

ニュースは自粛中の暗い大阪ばかりを取り上げているが、どうやらそんなことはないのかも・・・。

 

続く

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