Culture

2015/03/12
ヘッドフォンの思い出

学生の頃から、外へ出るときは大体ヘッドフォンをしている。
それはまぎれもなく、Madlibというアンダーグラウンドヒップホップ界のレジェンドの影響だ。

トラックメーカー、ラッパー、プロデューサー、プレイヤーとなんでもござれのMr Hip Hopper。

トップディガーで知られる彼は、ほぼ間違いなく世界で一番音楽を聞いている。

彼のShade of BlueというアルバムのCDジャケットの中に、新幹線の車内でポータブルレコードプレイヤーを

膝の上に乗せて音を聴いている1枚がある。

 

か、かっこよすぎる…。

 

当時BBOYだった僕は即同じヘッドフォンを買うことにした。

 

SonyのMDR-Z700DJ

 

値段も使用も天下一品。

ベースのブリブリ感と操作感の良さ、スマートなデザイン、どれをとっても僕のなかで満点のヘッドフォンだった。

最初に買った2台は確かタイ製で、3代目は中国製だった気がする。

中国製はタイ製よりも音の迫力がない気がしたのは気のせいだろうか。

買い替え時は、イヤーパッドの劣化か、プラスチックの可動部の接着がはがれ始めたときで、

学生の頃はダクトテープで補修してまで使っていた。

今思い返すと恥ずかしくなる。

でも、それくらい愛着の湧いていたヘッドフォンだった。

なので、さて4代目と思ったときに廃盤を知ったのはショックだった。
しょうがないのでMDRの他のラインナップを見て検討するものの、全くピンとこない。

まず、デザインでグッとくるものがない。

他にも色々なヘッドフォンを探すが、なかなかどれにしようか決められない。

時間をかけて欲しいものを探しても、これだ!と思えるものが見つからないのは、そういう時代なのかなぁと思わされる。

昔はよかったじゃないけれど、あふれる物のなかで自分と本当にフィットするものを見つけるのは困難を極める。

それは新しい音を探すわくわく感とは何か対照的で、無理な選択を強いられている気分にだんだんなってしまった。

 

結局、Ultrasone というドイツのメーカーのヘッドフォンを買った。

満足して毎日使っている。

大切に使おう。
Madlibも今は違うヘッドフォンをしている。

それはそれで、またかっこよく、新しい。
それでいいのである。

 

R.I.P MDR-Z700DJ

Contact

制作に関するお問い合わせ