Culture

2015/01/27
大阪の夜

音楽ネタが続いているので流れを変えて、徒然と。

最近ちょくちょく大阪に行くのだが、大阪には梅田界隈でも難波界隈でも

どこでも商店街のような場所が存在していてどこもかしこも少々香ばしい雰囲気があって落ち着く。

西成なんかも結構好きでタイミングがあればつい行ってしまう。

 

ブラブラしながら今宵はどこで飲もうか考えつつ、

商店街から脇道に入ったり、そのさらに奥に行ってみたり。

そうこうしているうちに元の場所に戻ってるみたいな行動を毎度繰り返している。

 

そんなブラブラしている時に必ず思い出すのは香港にあった「九龍城砦」

行った事もないし、勿論ここまでカオスな訳もなく、何百倍も整っているのだが東京では

なかなか感じる事がない。慣れてるせいもあるとは思うけど。

 

先日もそんな事を考えながらブラブラしていると奥まったところに一件の明かりを発見。

扉の感じはJAZZが流れそうな落ち着いた佇まいだが、中から聞こえるのは先輩たちのカラオケによる北島サウンド。

スナックなのかバーなのか、何屋か分からないけどとりあえず入ってみるかと。

 

ドキドキしながら扉を空けてみる。

ゆっくりとゆっくりと。

 

するとさっそく威勢の良い関西弁の洗礼がはじまる。

想像以上に人数が多い。10人ぐらいはいる。

 

こっち座れや、どっからきたん?どこに泊ってんねん?兄ちゃんいくつや?

質問のオンパレード。人のプライベートに土足でガツガツ入ってくる。なんなら股間もまさぐられてる。

 

そんな好奇心旺盛な先輩方の質問に一つ一つ丁寧に答えているうちに当然の事ながら歌え歌えのコールが始まる。

自ら歌う事など皆無だが、歌えと言われて歌わないことほど寒いことはない。

こちらも18番のチハルマツヤマで応戦。

 

おー、ええぞええぞ!

先輩方、大喜び。こちらもなんだか嬉しくなる。

今のところまだ何屋なのかはわからない。

 

そんなこんなで一息ついたところでトイレへ行ってみると

昔の映画のポスターやらフライヤーみたいなのが壁一面に貼られている。

 

意識しているのか分からないが香港映画ばかりが目立つ。

というより香港映画しかない。

 

ふと背後に目をやると、誰もが一度は耳にも目にもしたことがあるであろう「スパルタンX」のポスターが。

ジャッキーが赤い服を着ているそれが貼られている。

おー、懐かしいなーなどと見ているとその横には突如として「マルコムX」のポスターが。

 

毛色が違いすぎる。

香港映画のポスターしが並んでないのに。まさかXつながりで勘違いしているのか。

 

でもなぜだろう。

馴染んでいる。気づかないぐらいにすごい馴染んでいる。

そこはデザイン云々など関係ない。その何屋か分からない店の雰囲気が全てを凌駕しているのだ。

 

関心して見ているとトイレの扉が思いっきり開いた。

おばちゃんが立っている。勿論謝罪はなしだ。

その勢いにこちらがごめんなさいと言い残し、僕はまた戦場に戻った。

 

結局この店が何屋か分からぬまま大阪の「長い夜」は更けていくのであった。

 

今日の1曲。

スパルタンX → マルコムX → マルコムマクラーレン

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