Culture

2017/08/29
自己啓発本

自己啓発本を久しぶりに読んだ。

半分は哲学の本といえるかもしれない。

アルフレッド・アドラーという、フロイトやユングと並ぶ「心理学の三大巨頭」と言われる哲学者の思想を、

日本人の哲学者兼カウンセラーとライターが解き明かす内容の一冊とのことで。

 

今の私には自己啓発が必要な訳ではなかったが、いかにも「あなたの興味を惹きますよ」みたいなタイトルの「嫌われる勇気」が以前から目についてムカついていたし、どうやら長いこと流行っているようだ。こういう本は大体気味が悪いが、

食わず嫌いはもっと良くない。

 

 

 

 

 

 

結論、内容は衝撃とまではいかずとも、今の時代だから求められる考え方の提示が十分にされていると思った。

 

「トラウマ(過去)は存在しない」

「自分の人生を自分で選択することの必要性」

「すべての悩みは対人関係である」

「承認欲求を捨てること」

「他者の課題と自己の課題の分離」

「あなたは世界の中心ではない」

「すべての生命体、時間軸の中での共同体意識」

「存在しているだけで価値がある生」

「自己肯定ではなく自己受容」

「普通であることの勇気」

「人生とは連続する刹那の連続である」

「人生に一般的な意味はない」

そして、絞めは「今ここ」。

 

 

 

 

 

 

私の友人にはこういう範囲を生業にしている人もいるのであまりつべこべ言うつもりはないが、

感想として、西洋の哲学者がヴィパッサナー的な東洋的感覚にたどり着くところが面白いと思った。

今の時代にはピッタリだと思う。私には哲学が時代を越えて不変なものかどうかは分からないが。

全体を通してのイメージとして、大きな大きな輪を意識しつつも、絶対的な個の感覚がある。

そして、最後には、人間の幸福とは「貢献するという感覚を感じること」であり、生きている意味は「一般的にはない」、という淡泊な結論に至るのが私としては心地よかった。

意味なんてねぇんだよ、ボケが。

 

 

フロイトやユングにいまいち同意できない人は読む価値があるかもしれない。

「あんたはあんた、あたしはあたし」みたいなスタンスは、ストイックで静かな生き方が好きな人、SNSに疲れた人、

とにかくなんでもかんでも気疲れする人にはお勧めかもしれない。

 

でもタイトル、「嫌われる勇気」って。 ねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

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