コロナ禍での野外フェスへ参加するのは初めてだ。
5月15,16日に富士山の裾野で行われたFUJI&SUNに相変わらずスタッフとして参加してきた。
イベント自体が開催できるかどうかとにかく懸念されたが、市や市長などと協議を重ねた結果、なんとか当日を迎えることができた。
スタッフは体温を2週間前から記録しておくよう指示され、最終日にそれを提出することになっていた。会場入りする際には全員が抗原検査を受ける。
ステージ周りや導線のいたる所にマスク着用の看板が立ち、ソーシャルディスタンスがとれるようにロープが張られていたり、カラーコーンが置いてあったりする。
チケットは最終的に当日券の販売はされず、とにかく少ないキャパを目指すという徹底ぶりだ。
フェスシーズンの皮切り的タイミングに開かれるこのイベントが他のパーティーを鼓舞するようなものにしたいと主催者も言っている。
開催することに意味があるのだ。
予想通り、本部に配属された私は謀殺されほとんどステージを見ることはなかった。
しかしヘッドライナーのくるりは1曲目から私でも知っている「ばらの花」を歌ったらしく、ファンに言わせると演目は「神セット」とのことだった。
森山直太朗もさくら~と歌ったらしい。よかったよかった。
華々しいステージの裏ではBoredomsのEYEや悪魔の沼、Sugai Ken、Videotapemusicなんかがズンチャカやっていた。
本当は夜通しでかかっているはずの音も20時で終了するよう変更となった。
コロナのためだ。
なので、昼間から子供や、あきらかに直太朗を見に来たお客さんが怪訝な顔をしてステージ横を通っていくのは面白い光景だった。こういう客層が入り混じるフェスでもレイブ感覚でぶっ飛べるものだろか。俺は多分ちょっと無理だ。
裏方もお客さんも散々コロナに気をつかって、つつましいフェスになった。
本部では、もうこういう状況ではやりたくないという愚痴も聞かれた。
5月末のFFKTも延期、もしくは中止の予定だ。
2日目はけっこうな雨で標高1000mの会場は真っ白と霧に包まれた。
撤収の日もひどい天気だった。
コロナに費やした労力と過労、今回のFUJI&SUNを諸手をあげてよろこんだスタッフは多くはないかもしれない。
しかし、イベントの継続のためにも開催されなければならない。
こうやって、いままであった沢山のものはなくなっていくのか。
コロナ禍のフェスはとても悲しかった。