Culture

2015/03/03
メキシカングラフィティ

友人がメキシコで絵描きをしている。

メキシコシティにあるペンションアミーゴという安宿をアジトに、毎日せっせと絵を描いているようだ。

ヒスパニック系アメリカ人のトミーゲレロがきっかけで僕もメキシコが大好きになり、3度旅行に行ったことがある。

豊かな食文化や、とても1度では回り切れない数の遺跡達もさることながら、

1番時間をかけて見入ったのは街中のグラフィティだった。

 

まず驚かされるのはその膨大な数。

大体どこの曲がり角にもびっしりと目をみはるグラフィティが描かれている。

どの角を曲がるとか、待ち合わせはどこにするとか、そんな話をする時は自然とその通りの絵が頭の中で目印になっている。

絵のデザインは様々で、style warsに登場するようなど真ん中のものもあれば、誰が見てもメキシコらしいもの、マンガ風のものやデジタルテイストなものまで。雑食である。

 

中でもインカやアステカ文明、ドクロ、マリアをモチーフにしたグラフィティは日本人の僕には最高にかっこよく見える。

それらが古臭いままでなく、現代版に完全にアレンジされていて、

自分たちのカルチャーを誇らしげに描いているのは見ていて気持ちがいい。

日本の街角に描かれた絵にはそういうのが少ない。グラフィティ自体が少ないのだけれど。

 

アメリカの真下にあっても、色濃く自分たちのルーツを保っているメキシコが羨ましい。

メキシコシティは東京に比べれば治安も悪いし、社会的な格差も大きい。

でも、その中で育つアートは逆境に立つ分、力強さを感じる。本気を感じる。自由を感じる。

 

これでもか!と10階建ての廃ビルの窓全てに描かれたペイント。

どうやって描いたのか、ハイウェイをまたぐぶっといパイプに完璧に描かれたチームのロゴ。

どんな気持ちでそれを描いたのか、そんなことを思っただけで共感してしまう瞬間がある。

メキシコシティは最高にかっこいい町だ。

 

絵描きの友達も、そんなバイブスを吸い込んで東京に帰ってきてほしい。

僕も、日本で小さくなってしまったときは、メキシコにまた刺激を求めに行きたい。

いますぐ行きたい!というのが正直なところだけれど。

 

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