Culture

2026/10/28
AI時代のウェブづくりと、「あ、この言葉、気にになる展2」 ~虎ノ門広告祭2026~

こんにちは!大野です。
10月15日、虎ノ門ヒルズのTOKYO NODEで開催された「虎ノ門広告祭2026」に行ってきました。

 

 

虎ノ門広告祭は、サイバーエージェントや博報堂DYホールディングス、森ビルなどが主催する広告クリエイティブのフェスティバルです。トークセッションや展示を中心に、広告のクリエイターから芸人さんまで、幅広い人が登壇します。
2回目の今年は9日間で180を超えるコンテンツがありましたが、僕が行けたのは平日の1時間半ほど。その短い時間で、セッションをひとつと展示をひとつ見てきました。

 

【Webサイトをひとがつくる時代は終わるのか】

聴いたのは、セミトランスペアレント・デザイン代表の田中良治さん、mount inc.代表のイム ジョンホさん、元電通のクリエイティブディレクターで、虎ノ門広告祭の発起人でもある菅野薫さんによるセッション「Webサイトをひとがつくる時代は終わるのか」。

 

 

印象に残ったのは、AIは最適化を突き詰めた存在だ、という田中さんの話。
わかりやすさはAIがやってくれる。だからセゾン現代美術館のサイトでは、あえて少しずらしてつくったそうで、 「行けなかった展覧会の方が記憶に残る」という話をしていました。
たしかに、展覧会ではないですが、行きたかったけど行けなかったライブや、旅先で入りそびれた飲食店のほうが、意外と記憶に残っていたりするかもと思いました。

 

イムさんは、コクヨのサイトづくりで、デザインに入る前に1年ほどかけて「何を伝えるか」を社長たちと掘り下げたそうです。
社内でもコクヨのブランディングは話題になっていたので、制作秘話をもっと聞きたいところでしたが、そこまでは聞けず残念です、、、

 

その話を受けて菅野さんが言っていたのが、「ホームページ制作」と言うと表面的に聞こえるけど、やっていることは広告と同じだということ。
肩書きがなんであれ、突き詰めると「その会社は何者なのか」に向き合う仕事に行き着く。そして最後は、「何のためにつくるのか」を忘れなければ、つくる人はいなくならない、という話で締めくくられました。

 

届ける相手にAIが加わっても、その会社が何者なのか、受け取る人にどう見られるべきで、どう感じてもらうべきか。そこを考え続けることの大切さを、再認識しました。

 

 

【あ、この言葉、気にになる展2】

実はセッションの前に見ていたのが、「あ、この言葉、気にになる展2」。
『いい人すぎるよ展』のチームと若手クリエイターが手がけた展示で、広告やCMで使われてきた116本のコピーが並んでいます。

面白いのは、ほとんどのコピーが、広告主の名前も商品の写真もない、言葉だけの状態で展示されていること。

 

そして、その見せ方も面白い。垂れ幕、立体文字、プロジェクターで壁に映し出された文字、机、お皿、傘、鏡まで、コピーごとにいろんな形で置かれていました。

 

 

ここからは、僕が気になったコピーをいくつか。 

 

「昼に言えなかったこと、夜だと言えちゃうのはなんでだろ。」

 

プロジェクターで壁に映し出されていたコピー。
たしかに、飲みの席だと話せることがあったり、夜になると社内の会話が増えたりします。

 

右側のコピーです。

 

 「仕事を聞かれて、会社名で答えるような奴には、負けない。」

 

天井から下がる大きな垂れ幕のコピー。僕もこの気持ちは大事にしたいです。

 

 

「いいものをつくるには、働くことがすべてじゃない。」

 

こちらは机に書かれていました。
仕事以外の時間にヒントが見つかったり、お風呂に入っているときや海を散歩しているときに、ふとアイデアが浮かんだりすることってあるなと。 

 

 

 「『料理をする』には、『料理を考える』も含まれている。」

 

テーブルに並んだお皿に書かれたコピー。
子どもの頃は思いもしなかったけど、自炊を始めてからは「今日は何をつくろう」と考えるようになり、めちゃくちゃわかる、と思いました。

 

 

「シャッター押すのをやめて
じっと、まぶたに焼きつけています。」

 

 

今は何でもカメラで記録できる時代だけど、一番大事なのは自分の中にちゃんと思い出として残すこと。そう気づかされました。
ふと周りを見ると、このコピーをみんながスマホで撮っている。まさに今の時代を表しているなと思いました。
……とか言いつつ、僕もしっかり撮りました。

 

こうして並べてみると、どのコピーも自分の経験と重ねて読んでいたなと思います。
本来の広告なら、ビジュアルがあることで伝えたいイメージを受け取れる。この展示はあえてビジュアルを外しているから、読む人それぞれが自分の話として読めるのが面白いところです。

 

見せ方も凝っていて、窓際に「青空は、史上最大の読書灯である。」と展示されていたり、鏡には「たいへんよくできなくてもいいんです。」と書かれていて、のぞき込むと自分の顔がコピーに重なったり。本の形をした大きなパネルを、めくって読むコピーもありました。
コピーの内容と、それを載せるモノがちゃんとつながっていて、見て回るだけで楽しい展示でした。

 

こういう機会を、もっと増やしていこうと思います。

 

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